• ヤス@BUNKAIWA

海外生活で経験する悔しさをバネにする方法【異文化変容ストレス】



何かの目標に向かっている時に経験する、悔しい思い。

自分の状況が思ったように上手く説明できない母国語以外での生活では、この『悔しい思い』に直面する場面が更に増えることでしょう。

この『悔しさ』の気持ち、わたしもたくさん経験しました。中には、その場で泣きたくなってしまったようなことも、自分をコテンパンにダメ出ししまくった時も。

しかし、この悔しさの感情は、自分を一回り強くしてくれるレジリエンス(逆境力)の燃料にもなる可能性を秘めているのです。

そこで、この記事では、悔しさを成長のバネに変える方法を提案したいと思います。

『悔しさ』を構築する感情

そもそも、悔しさってどのような気持ちでしょうか。

例えば、「言いたいことが上手く伝えられなかった」ことだったり、「思ったような成果が出せなかった」ことだったり‥。

自分の思い描いている理想の自分とは違う、理想的とはかけ離れた誤解された別の自分像を他者に受け取られた時。

この時の、「いやいや、本当は違う‥」と訂正を撤回しようと焦る焦燥感や、それが上手く出来ないもどかしさ、はたまた、間違った自分を理解された悲しさや、「なぜ出来ないのか」「なぜわかってくれないのか」と自他に向けた強烈な怒りや落胆を伴う疑問、などなど‥思い当たる方もいるでしょう。

また、恥の研究者であるブラウン博士によると、人間は、自分の求めてる自分像に劣る違う姿で評価をされた時にとてつもない恥ずかしさを経験すると説明しています。

これらの気持ちが相まってわたしたちは『悔しさ』を感じているのだとしたら。

そう考えると、『悔しさ』の一言の中には、人の大きな感情が何個も混在して存在しているのです。だからこそ、思わず泣きたくなってしまうこともあるし、周囲に当たり散らしたくなることもあるでしょう。

異国・異文化環境に経験する『悔しさ』の特徴

上手く言葉で説明が出来なかったり、文化の前提が違うため誤解されやすかったりする異文化状況下では、この『悔しさ』の頻出度合いは、大幅に増えます。

そしてそれは、言語の不自由さなど自分の条件が生み出してしまった誤解からくる『悔しさ』もある一方で、外国人・マイノリティであることを理由に相手からバイアス(偏見)や固定概念を持たれた上で発生する誤解が生み出す『悔しさ』の場合も。


例えば、こちらが正当なことを話しているのにも関わらず、現地ネイティブじゃないから、と、こちらが間違っているのを前提に話してくる人に出会うことも少なくはありません。

この時の悔しさと言ったら、それはもう‥、言い表せないくらいの強いドス黒いマグマのような気持ちでしょう。移民の多くは、これらの葛藤を経験していると思います。

『悔しさ』をバネに変えるには?

相手の先入観からくる誤解は、状況によりなかなか太刀打ちが出来ないこともあるものの、『悔しさ』には、自分の現時点の能力を査定し、足りない部分を明確にしてくれるような役割が。そしてそこに伸びしろがあることに気づける場合もあるのです。

例えば、出来ると思ったことが出来なかった時に感じる葛藤や、誰かとの比較による強い感情が大きな起因になっている『悔しい』感情。

それを「他の人に出来てるのに自分だけ‥」と自分の足りない部分を諦めとして表現するのか、「もしかしたら出来たかもしれない」「成長して見返してやろう」と希望と共に受け取るのか。

「もしかしたら自分にも出来たかもしれない。」


「成長して見返してやろう」

そう思えた瞬間に、一気に『悔しさ』が次の行動を起こすための原動力になるのです。

ネガティブな感情にはポジティブな側面が存在している

ストレス研究で有名なマクゴニカル博士は、ストレスをこのように捉えることが出来ると説明しています。

ストレスが害になるのは‥

  1. あなたがそれに立ち向かえる力がないと感じてしまう時

  2. それが自分を周囲から孤立させているような気分になる時

  3. それが自分の意志に反して全く意味を成さないもののように感じる時

しかし、それをただ受け入れ理解しようとすることによって‥

自分を疑う気持ちが、自信に。

恐怖が、勇気に。

孤独感が、誰かとの共感や繋がりに。

苦しさや葛藤が、自分の人生にとって何か意味のある存在に。


このように、気持ちが変化していくと話しています。

これを『悔しさ』の感情に置き換えてみるとどうでしょう。

この強い『悔しい』気持ちに、自信が削がれてしまう時‥、孤立した気分になってしまう時‥、そして『悔しさ』を感じることが意味の無いことだと思ってしまう時‥。これをただ、ネガティブな葬り去りたい経験として受け取るのか。それとも、この経験をした自分を素直に理解し、自分の人生に意味のあるものだったかもしれないと受け入れる気持ちで考えたら‥。

『悔しさ』の気持ちが自分に何かを教えてくれたのかもしれない。

『悔しい』思いがあったから、次のゴールが見えてきたかもしれない。

『悔しさ』が今の自分に足りないものを教えてくれたかもしれない。

『悔しさ』が次を頑張る勇気をくれているかもしれない。

『悔しく』思ったのは、自分にそれを達成出来る力が本当は備わっているからかもしれない。

おわりに

わたしも『悔しい』体験、たくさんしてきました。これは、日本にいた時にも、アメリカに来てからも、今でも経験している大きな気持ちの一つです。

しかし、この悔しさがなかったら、自分はここまで頑張れただろうか、そのようなこともふと思うときがあります。

今、海外生活で、たくさんの『悔しさ』を経験されて心が折れそうになっている人を応援するつもりで思って書いてみました。


最後までお読みくださりありがとうございます。

クロスカルチャーコンサルタント・BUNKAIWAのヤスでした。

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参考:

スタンフォードのストレスを力に変える教科書

ケリー・マクゴニカル著


ストレス研究を専門とするマクゴニガル博士による、ストレスの利点に多角的な視点から迫った良書。この記事では、『悔しさ』に焦点を当てたものの、彼女の本からは、ストレスをはじめ様々な強いネガティブな感情を対処するためにはどのような考え方(マインドセット)をしていけば良いのか、生きづらさを解消するためのヒントがたくさん紹介されています。




本当の勇気は「弱さ」を認めること

ブレネー・ブラウン著


『恥』の感情の研究でとても有名なブレネー・ブラウン博士の代表的一冊。この本では、『恥』の感情に関する研究のほかに、彼女の個人的な体験談も赤裸々に綴られています。誰でも同じような葛藤を経験しながら、強くなっていくんだな‥、ということをしみじみ実感できる、仲間を得たような心強さを得られるような本です。




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