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怒りがコントロールできない!?怒りへの対処法と、怒りとの上手な付き合い方



みなさんは、『怒り』という言葉を聞いた時に、どのようなイメージを連想しますか?

怒りの感情に抱くイメージには、ポジティブなものよりも、ネガティブなイメージが浮かぶ人が圧倒的に多いのでは?


しかしながら、『怒り』の感情がなぜわたしたちの心に備わっているのか、それを理解していくと、わたしたちが日常生活を送る上で、怒りは大切な心の機能の一つであることが分かります。そして、その怒りの感情は、生きづらい環境をちょっとづつ変えてくれるきっかけにもなるのです。

そこで、この記事では、『怒り』とどう付き合っていけば良いのか。怒りとの上手な付き合い方、怒りの対処法についてを掘り下げてみたいと思います。

『怒り』の感情がある理由

人間をはじめ、多くの生物には生存本能が備わっています。

例えば、危険を察知した時に感じる「怖い!!」「不安!!」といった大きな気持ちは、身を守るために必要な行動を起動させてくれるアラームシステムのような側面を果たしています。

それと同じで、怒りの感情も、自分を守るための感情であるということ。

怒りを感じる時。それは、何かが思い通りにいかないようなもどかしさや苦しさを感じている時であったり、自分を搾取されているような気分になったり不当な扱いを受けたりする感覚がある時、行き場のない大きな感情が燻っている時…、など『怒り』の背景には、自分の今の環境が、自分にとって幸せでない、苦しい状況である、ということを伝えている場合があります。

怒りを感じるからこそ、この状況は今の自分には居心地の悪い場所である、だから状況を変えなくてはいけない。そのような変化を目指す気持ちが湧いてくる。


そのため、怒りを感じること自体は、人間であれば感じて当然の気持ちであり、決して悪いことではありません。

間違いだらけの『怒り』の扱われ方

では、なぜ怒りがネガティブに受け取られる風潮があるのか。

それは、怒りの表現手段に、暴力的な方法を取る人がいるからです。

怒りの感情を怒鳴って蹴散らしたり、手に出して暴力をふるったり…。そういう怒りの放出をする人たちが目立つために、怒りの感情自体を封じ込めることが推奨されているのが今の世の中です。

しかし、自分の気持ちに湧いてきた何かを知らせてくれるサインである『怒り』自体を封じ込めようとすることは、気持ちの抑圧につながっていきます。

人は、怒りを外に出せない場合、内側に怒りを向けていくことになります。

この内側に向けられた怒りが、自己否定や自己卑下、さらには感情の抑圧へと繋がっていくこともあるでしょう。鬱は、行き場のない怒りが内に向かった症状である、と説明する人もいます。

そのため、『怒り』の感情を消してしまうことが問題解決ではなく、湧き上がった怒りをどう適切に対処·処理したらいいのか…という、怒りの取り扱い方が鍵となってきます。

『怒り』が怒鳴ったり暴力に繋がったりの人は、3歳児と同じことをしている

日本をはじめ、東アジアの国々では、あまり感情を表に向かって話さない文化背景があると理解されています。特に、ネガティブな(弱さを見せるとされる)感情に関しては、周囲に知られないように隠したり、我慢したりが多く、感情の適切な対処法を上手く学ばないまま大人になる人も大勢います。

そのような大人たちが、感情が溜まりに溜まって爆発させる時に、怒鳴ったり、暴力で怒りを処理しようとするようになっていきます。彼らが親となり、子供にこのような接し方をする。それが子供たちが大人になった時に繰り返されています。東アジア圏では、欧米に比べて体罰を肯定する感覚が強いのも、このような風潮が強く残っているからでしょう。

しかしながら、怒りを蹴散らす大人を「感情の適切な対処法を学んでこなかった人」という視点で見ていくと、3歳児ぐらいの小さな子供が、ぐずって癇癪を起こしているのと同じことをしていると説明することが出来るでしょう。

小さな子供は、自分の不快な気分に対して、うまく言語化ができません。そのため、駄々をこねたり、泣き喚いたり、親に怒りをぶつけます。これと全く同じことが大人にも起きていることが暴力に繋がっているから問題なのであり、『怒り』の感情=暴力、では決してないのです。そのため、この3歳児ステージからの脱却が、怒りとの上手な付き合い方のヒントになります。

『怒り』を対処するにはどうすればいいのか?

それでは怒りをどう対処していけばいいのか。それは、怒りの感情を抑え込めることではなく、怒りの感情をどう自身が理解し、周囲にどう説明していけるか、怒りの感情を言語化し適切に他者に伝達することを学ぶことです。

以下のステップを意識してみてください:


⒈怒りの感情は、人間なら感じて当然の気持ちであることを心に留めておくこと。


怒りを感じても大丈夫なんだよ、と自身に怒りを感じることを許可してあげるような、思いやりのある感覚を意識してみてください。


⒉どんな怒りを感じているのか、少し怒りの感覚を客観視するように眺めてみましょう。


自分は何に対して怒っているのか、今怒りの他にどのような感情が起こっているのか…ちょっとその気持ちと一緒に同じ空間に漂うようなイメージで、その感情と一緒にいることを許容してみましょう。


この時、自分の許容範囲以上の無理をしていないか、自分の権利を守れているのか。自他の境界線・バウンダリーが適切に引けているのかを確認してみたり、自分の疲れ度合いをモニターしてみてもいいでしょう。また、過去のトラウマが隠れているなと感じる場合や、気持ちの整理がなかなか出来ない場合は、心理カウンセリングで、幼少期からの怒りの感情の記憶や、怒りに持つ自身のイメージや先入観を整理していくことが大切になってくるでしょう。


⒊この怒りが、誰かに対して向けられたものならば、それをどう相手に伝えるのがいいのだろうか、考えてみましょう。

  • アイステートメント:

「あなたが〇〇だから」と切り出してしまうと、受け取り側はまるで自身が責められたように感じてしまい、話し合いはうまくいきません。この時、「わたしは、〇〇を受けてこのような気分になった」と、自分を主語にするといいでしょう。

  • 意図とインパクト:

相手が自分を傷つけるつもりなくしたことに対して怒りの気持ちが湧く場合において、相手を悪者のように話し出してしまうと角が立ちます。この時、「あなたが〇〇してくれたのは、わたしのことを思ってだとは分かっている。でも、わたしは〇〇をされてこう感じてしまった。」というような言い方を意識してみるといいでしょう。

おわりに

以前アンガーマネジメントの記事を書いた時にも指摘しましたが、日本をはじめ東アジア圏出身者には、『怒り』の感情を持つこと自体に大きな抵抗感を感じている人がとても多いです。

とくに日本では、社会構造的に、家父長·父権社会が根強いのもあり、年長者がなりふり構わず怒鳴り威嚇や暴挙に出ることが比較的許容されてる一方で、女性やマイノリティ、若い子たちが、怒りを出すことを良しとされずに抑圧·搾取される場面を目撃します。


怒りは感じて当然なのであること。そして、怒りは、自分を守ってくれるサインの役割も果たしています。そのため、その気持ちを抑圧してしまうことは良くありません。工夫すべきは、その伝え方をどうしていくかを考えること。怒りの感情との付き合い方が変わった社会では、より多くの意見交換、違う価値観の共存、多様性が実現し今よりも生きやすい社会が待っているのではないか。そんなことを感じています。


この記事が、皆さんの気持ちとの向き合い方に参考になる部分があれば幸いです。

クロスカルチャーコンサルタント·BUNKAIWA

 

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参考文献:

Gilbert, P. (2013). The Compassionate Mind. Audible. Audiobook.

Wang, J. (2022). Permission to Come Home. Audible. Audiobook.

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