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心理カウンセリングに『家族の理解』が得られない‥!?家族のメンバーが知っておくべきメンタルヘルスの知識



社会のメンタルヘルスへの偏見がなかなか拭えない世間の風潮がある中で、心理カウンセリングを受けることにネガティブなイメージを持っている方は多いでしょう。


「自分に何か問題があるのだろうか‥」


「周囲にカウンセリングに通っていることが知られたくない‥」


心理カウンセリングに通うことが、自身にネガティブなレッテルを貼られたような感覚や、世間的に恥ずかしいことをしているような気分を引き起こしてしまう。これは、世間のメンタルヘルスへの理解が乏しい文化圏であれば尚更、顕著となります。


そのような背景があるからこそ、家族のメンバーが、カウンセリングへ理解を示すことは、クライアントのカウンセリングの成果に少なからず良い影響を与えます。


この記事では、心理カウンセリングを受ける本人はもとより、クライアントの家族のメンバーが知っておくべきメンタルヘルスの理解とは?を解説したいと思います。



そもそも精神的ストレスの多くは、環境によって引き起こされている

心理カウンセリングに対して、「問題があるから行く」「症状が無い自分には関係のない」という考え方を持っている方は多いでしょう。


そして、そのような考え方によって、心理カウンセリングを受ける個人を特別視したり、問題視したりと、偏見が助長されることが後を経ちません。


しかし、個人の身体に起きる医学的な身体的症状とは違い、人の悩み事やそれに付随する精神的症状は、他人とのやりとりの中で発生するストレスや葛藤に起因を持つものがほとんどです。そして、それは社会のシステム・コミュニティの一員として生活しているからこそ経験すること、つまり、個人を取り巻く社会環境が主原因となっている可能性を指摘することが出来るのです。


例えば、「公共の場では静かにしないといけない」が暗黙の了承となっている日本社会にいる時と、「小さい子供だったら多少うるさくてもしょうがないよね」がデフォルトの子供に寛容な社会にいる時では、子供が公共の場で同じようにぐずったとしても母親の精神的ストレスの度合いは大きく異なります。


このように個人の経験している内容や条件が全く同じだったとしても、置かれた環境次第では本人の感じるストレスレベルに差が出てくることがある。


そのため、心理カウンセリングを必要としている個人の抱えているメンタルヘルスの悩みが、実はその個人が身を置いている環境が問題である場合というのも少なくないこと、個人の努力のみで対処すべき問題では無い場合があることを世間が広く認知し理解しておく必要があります。

家族の問題が個人の症状に現れている場合も少なくない

もちろん、個人の生まれつきの傾向や特徴が個人の物事の受け取り方に影響している場合もあるのですが、悩みを抱える多くの人は、個人の内面のみに原因があるというよりも、日常に触れてきた様々な外的要因(家族やパートナーとの関係、社会での役割、文化的背景、社会的事情など)に影響を受けた結果が、心的症状となって現れています。


そう考えていくと、家族の誰か一人が何かしらの精神的問題症状がある場合、それがその人個人の問題なのではなくて、個人が一番関わりの深い存在、一番近い人間関係であるカップル関係、家族全体で考えていくべき問題がそこに存在している可能性が高いのです。


よく、子供のカウンセリングでは、問題症状を抱えた子供がIP(Identified Patient:主要クライアント)としてカウンセリングに来るケースが多いのですが、家族背景を探っていくと、親に不仲の問題があったり、文化変容のストレスがあったり、家族全体で解決しなければならない問題がその子の症状が現れた背景に見え隠れしていることは多々あることです。

『心理カウンセリングに通うこと』は家族への投資でもある

カウンセリングは決して安い料金ではありませんし、時間の投資も必要です。小さな子供を抱えた方の場合、子供の預かり先など物理的なサポートが必要になってくることもあるため、どうしてもカウンセリングを受けることへの負担が大きいでしょう。


しかし、上記に説明したように、ストレスの要因がカウンセリングを受ける本人の周囲にもあることを踏まえると、それを家族の誰か一人の問題として「その子・その人に原因がある」と他人事にしてしまうことは、本来あってはならないのです。


家族の中に、機能していない何かが存在している、そしてそれが誰かの症状となって現れている。そのような全体的な見方をしていくことで、解決しなければならない根本問題を見つけて対処していくことが可能となります。


もしかしたら、歯車に例えてみると分かりやすいかもしれません。例えば、噛み合わない歯車がぐるぐる回っているうちに一部の部品に支障が出てきてしまう‥。その部品を直し、それを上手く噛み合うように他の歯車をはめなおしていく‥。そういう作業がカウンセリングでも行われていると想像すると分かりやすいかもしれません。


そのため、家族の誰かがカウンセリングに通うことをサポートすることは、自分の家族をより仲良く、過ごしやすくするための投資ともなるのです。

親の心理ケアが子供にとっても大切

「パートナーや家族からのカウンセリングの理解が得られない」または「収入が無いから気が引ける‥」とカウンセリングを断念する方達に何度も出会ってきました。


また、「子供のカウンセリングだったら良いけれども、自分(片親)のカウンセリングとなるとパートナーに言い出せない」と言った意見は、専業主婦・主夫の方から多々聞く言葉です。


しかし子供の子育てには、親のメンタルヘルスのケアが必要不可欠だということ、そしてパートナー関係を良好に保つことが最優先事項です。そのため、パートナーのどちらかが何かしらの精神的苦痛を感じている場合において、一見子供に症状が顕著であっても家族の問題として親がカウンセリングなどの心理ケアのサポートを受けていくことは、子供を無視しているわけではなく、むしろ最終的に子供のケアにも繋がっていきます。



おわりに

人間は、他者と関わりながら、協力しながら、共同体を形成して生存してきました。


しかし、現代の社会では核家族化が進み、個人の葛藤が他人と共有される機会が圧倒的に少なくなり、一人で悩んでしまう方が多く作られる社会が出来てしまったように感じます。


当然自己責任論も増えていき、メンタルヘルスへの偏見も消えることはなかなか実現しません。


しかし、人は人に影響を与えながら、関わりながら生きている動物だということ。それはつまり、社会や文化が影響を与えた先にコミュニティが形成され、そのコミュニティの影響を受けて家族が成り立ち、その家族の中でのストレスフルな何かの出来事が個人に影響を与え、それが、メンタルヘルスの症状として現れている。


このように、個人の症状を家族が、コミュニティが、社会が作り出した負担であると考えることが出来たら‥。


メンタルヘルスへのサポートを求めることが、人ごとではなくなってきますよね。むしろ社会の問題、コミュニティ全体で取り組む問題と変わってくる。


メンタルヘルスの偏見を無くしていくには、まずはこのような視点が必要なのかな、そして、それを共有しサポートを必要としている人がサポートを受けやすくなるような環境作りを一番小さな共同体であるカップル・家族単位で目指していく、そうすることで、コミュニティや社会が、だんだんと個人の葛藤に寛容なものへと変わってくるのではないかと思います。


皆さんは、どう思いましたか?



クロスカルチャーコンサルタント・BUNKAIWAのヤスでした。


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