日本でもお馴染みのネットフリックス。ネットフリックスでは現在、ビヨンセがコーチェラで行ったライブのドキュメンタリー映画『Beyoncé Homecoming』が見られます。
なんと彼女自身が監督を務めているこの映画は、大規模人気野外フェスティバル:コーチェラバリーミュージック&アートフェスティバルが舞台。
アフリカ系アメリカ人女性初のアーティストとしてこのフェスティバルのヘッドライナーを飾ったこと、そしてそれが彼女のルーツ・アフリカ系アメリカ人コミュニティにとって歴史的にどんな意味があるのか、に焦点を当てて描いています。
スーパー派手で奇抜でかっこよくて潔いステージ上のビヨンセは、「ザ・ディーバ」としか言いようがないほどの圧倒感。歩く姿だけでもオーラがガンガン発散されています。ビヨンセとコーチェラを掛け合わせた言葉"BEYCHELLA"がすっかり定着、むしろコーチェラって
何?状態です。
それとは反対に、ステージの映像と交互に入ってくる彼女のリハーサル風景や家族と過ごす時間の映像は、なんとも静かで牧歌的な雰囲気が流れます。
家族と接するときや若いダンサーたちへ指導をしている時の様子など、あまりにもステージ上の彼女とはギャップが大きいせいか、優しい彼女の視線には、なんとも言えないどっぷり深い愛を感じるのです。
アフリカ系アメリカ人女性として初めてステージを飾ったビヨンセ。1年前に子供(しかも双子)を生んだばかりということもあって、身体的にキツかったのを耐えに耐えて素晴らしいパフォーマンスをしました。
差別がまだまだある社会・アメリカ
女性として、母として、アフリカ系アメリカ人として、マイノリティとして。
彼女がやり切ったそのステージには、なにかしらの差別がはびこる社会・それでも人々が共存する社会に対してパワフルな激励メッセージが込めに込められていました。
ビヨンセとデスチャはわたしにとって、アメリカを代表するようなアーティスト。しかし「アメリカ人」と一括りに出来ないほど、アメリカでは人種や性別による格差がまだまだあって、社会問題になっています。まさか彼女が背負っているものが、こんなにも大きなものだったなんて、アメリカに来る前は想像もつきませんでした。
エンパワーメントの秘訣
エンパワーメントとは「力を得る」という意味。
不公平な社会に対するパワフルなメッセージ。しかし、彼女のそれの伝え方は、決して暴力的な方法でも、相手を批判するようなものでもありません。
彼女はただ「自分の存在にプライド=誇りを持て」と主張しています。
それが彼女らしいカービーなボディを強調した衣装だったり、アフリカ系アメリカ人コミュニティに根強いブラスバンドをバックミュージックにしたり、足腰を主張した踊り方だったり、ビビッドな色彩感覚だったり、とにかく、彼女は、彼女らしいアートを通したパフォーマンスでそれを実践しています。
真の強さとは、自信。
自分が持って生まれたもの親しんだものを大切に守りながら、自分らしく人生を切り開いていく力。自分の力は自分自身から湧き上がるもの。
それを教えてくれたような映画でした。
パワーがもらえます!みなさんもぜひご覧ください。
クロスカルチャーコンサルタント・BUNKAIWAのヤスでした。
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