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執筆者の写真ヤス@BUNKAIWA

【2024年版】おすすめの心理学関連書籍10冊を紹介



ブログを書き始めてから続けているこのシリーズ、なんと今年で5年目となりました!


ほぼこの記事のためと言っても良いくらい毎年張り切って読書に挑み(笑)、特集する本の選定を楽しんでいます。


今年も、わたしが過去に個人的に読んでみてとても良かったオススメ書籍を10冊紹介してみたいと思います。尚、ここで紹介する本は、出版日時は2023年のものに限らず、順不同、トピックもとてもランダムに選んでいます。本選びに迷った際は、ぜひ、皆さんの本選びの参考にしてみてください。



祝!日本語翻訳化!!アメリカの多くのセラピストに読まれている名書!

リンジー・ギブソン著


昨年、セラピスト仲間に「今、何を読んでいる?」とい聞いて一番読んでる人が多かったのはこの本でした。


アダルトチルドレン、という言葉が浸透してきた昨今。その原因となっているものは何なのか、一般向けにもわかりやすく親と子の愛着について深く切り込んだ作品は増えています。この本も、その一つ。


自身の恋愛関係や人間関係に悩みを抱えていたり、頑張っても頑張っても足りない慢性的な不足感、何だかわからないけれどもいつもしんどい虚無感を抱えている…。でも、表向きは普通に生活できてるし、特に大きなトラウマが思い当たるわけでもない。そんな感覚を抱えた人に是非とも読んで欲しい一冊です。



集団心理?仲間はずれが起きるメカニズムは人間の脳にあった!脳から見た集団心理を学べる本!

中野信子著


学校環境でいじめが起きないなんて絶対にない!を明言しているこの本。読めば読むほど、いじめへの社会のアプローチがとことん間違っていることに気づかされます。


脳科学者の著者が説明する、そもそもなぜヒトはいじめを起こすのか?そこにある脳のメカニズムから理解する、対人関係のダイナミクスは、学校環境に限らず、集団が集まる場面での対人関係の至る部分で役に立つ知識だと思います。



内向的な人のバイブルかも!外向的になれなくて落ち込んでいる人にぜひ読んでほしい本!

スーザン・ケイン著


英語タイトル『クワイエット:内向的な人の持つパワー、この誰もが話すことを止められない世の中で…。』とは打って変わって、この微妙なニュアンスがほぼ皆無のこの邦題が、わたしにはとてもビジネスライクに感じられて好きではないのですが…。


本の内容は、ビジネス指南書というよりも、シャイといった内向的なタイプの人が持つ、隠れた力に焦点を当てた、とても当事者には心強い内容となっています。日本よりも更に積極性やフレンドリーさを強く求められるアメリカで書かれた本だからこそ、なおさら響いてくる説得力がある本です。



思想や境遇の違う者による大きな分断が目立つ今の時代だからこそ読みたい本!

川橋範子、黒木雅子著


フェミニズムと宗教を交差させながら、異なる視野の共生のあり方を探る本。


「宗教」という、一見、家父長制の価値観が強くイメージされるトピックを軸に、社会学の研究者である著者たちが、様々な環境で生きる女性たちと彼女たちを取り巻く宗教のあり方を深く分析しながら、社会構造の問題点を浮き彫りにしていきます。


しかし、その過程で見えてくるのは、宗教がどう女性のエンパワメントやコミュニティ形成にポジティブな影響を与えているのか、といった必ずしも家父長制に縛られたものだけではない多角的な視点でもあります。


今まで読んできたフェミニズム関係の書籍とは一味違う、とても読み応えがある社会学の本で、わたしはとても好きでした。



好かれたい病、ピープルプリーザー、 人にNoが言えないのは何でなの?に答えてくれる本

ハリエット・ブレイカー著


いつも無理して相手に合わせてあげてしまう、Noがなかなか言えない人。そんな心当たりがある人は、『好かれたい病』にかかっているのかも。


相手への優しさや思いやりが、自分をそうさせている場合ももちろんあるけれど、それだけじゃない何かが自分にNoを言わせないようにしている原因の場合も多々あります。


この本では、なぜ人は『好かれたい病』になるのか。その病の原因を幼少期に遡って検証、そして、好かれたい病の怖いエピソードもたくさん。恋愛関係のエピソードが比較的多く説明されているので、恋愛関係に悩む人、特に相手に尽くし過ぎてしまう人におすすめの本かもしれません。



自戒も込めて…対人支援職者として読んで心に留めておきたい本!

富樫公一著


こちらの記事でも書いている社会モデル(脱医療モデル)のカウンセリングと共通するテーマを話す治療者向けの本。


精神分析的心理療法の中でも、治療者と患者の関係性を大切にする間主観性アプローチを専門にする筆者が提案するのは、力の非バランスさがどうしても起きてしまう治療関係において、治療者は目の前の患者に対し、どのような心構えで関係作りをしていけばいいのかという答えの見えない問い。


目の前の患者さん·クライアントさんを前に、自分の今感じている気持ちを振り返るだけではなく、自分という人が歴史のどこに立っているのか、社会的情勢のどの立場にいるのか…といった世代間物理間を見据えた多次元視点からの臨床の提案に、気が遠くなるとともに、インスピレーションももらえるような、そんな本です。



コンプレックストラウマについてを深く知りたいあなたへ。

ピート・ウォーカー著


アメリカの心理カウンセラーの間で大ベストセラーのこの本。複雑性PTSDとはなんなのか?が全て説明されています。


トラウマは様々な形で現れます。時には、それがトラウマによる反応によるものなのかが分かりにくい場合も。


心理職に限らず、病院関係者や警察官、教職員など、対人支援に関わる人になぜ、トラウマインフォームドケアが必要なのか、その理由を理解するのにもとても参考にもなると思います。そして、なんだかわからないけれどもいつも生きづらさを感じている…という人の癒しのヒントにもなる本だと思いますので気になった人はぜひ手に取ってみてください。



<日本人論×心理学>日本の伝承話を交えながらの心理考察に日本的心理傾向を読み解くヒントが見つかる本

きたやまおさむ著


日米の文化を行き来しながらの臨床心理では、どうしても何とも言えない不思議な異文化カルチャーショック感のような違和にぶち当たることは多々あり。


日本的って何だろう…を考察していくと、そこには、日本の風土や環境、歴史を作ってきた考え方の傾向など、日本独特のものが見えてきて、それは、西欧圏のとは、大分趣が違います。


そんな何とも言語化できなかった感覚を言語化してくれたような本で、読んでいて「なるほど…」、がたくさん。『甘えの構造』から始まった精神分析的日本文化考察を引き継いだ、読み応えのある本でした。



ヒーローズジャーニーに続く、女性の経験する世代間トラウマとその解放に向かうまでの心の旅を教えてくれる本!

モーリーン・マードック著


この本は、とてもユング派アプローチ色の強い内容で、ユング派にそこまで詳しくないわたしには少し慣れないコンセプトもあったものの、読んでいくうちに自分の経験に重なる部分もあり、とても面白かったです。


社会のジェンダー問題に翻弄される女性が、どう自分が向き合っていけば良いのか、そして、自身の道を切り開いていけば良いのか、そのヒントになるような言葉が散りばめられていて、まさに壮大な人生の旅を送っているような気分にさせてくれる読後感でした。哲学的に物事を思考したり、問答したり、考えたい人にすごくおすすめな本だと思います。



やっぱり日本のアニメは素晴らしい!アニメ・漫画好きのオタク心理士を肯定してくれるこんな本を待っていた!

パントー・フランチェスコ著


イタリア人で初めて日本の精神科医になった筆者による、オタク色満載ながらもすごい情報量の本!


タイトルにある『アニメ療法』を、彼が思いつくまでの経緯。そこに辿り着くまでの多くの裏付け情報として、アニメーションが人類の歴史にどう関わってきたのか、というところから、日本のアニメに特に見られる演出が生み出す特別な心的効果への洞察が鋭い。


『物語』を媒体にする、ポストモダン心理療法ナラティブセラピーから、映画や書籍を利用するビブリオセラピー、フィルムセラピー、さらにはACTの流れを汲むスーパーヒーローセラピーと、アートやエンターテイメントが人にもたらす治癒力をとても詳しく説明していて、アートセラピストはもちろん、チャイルドセラピストや思春期期と働くことの多いセラピストの参考になることがたくさん書いてあります。



おわりに

気になる本はありましたか?


昨年は、個人的に日本とアメリカを行き来する機会がいつもよりも多く、自身の中で文化の違いを特に意識する年でもありました。そのため、今回はそういう文化差異に焦点を当てたような本が多くラインアップしたように思います。


今年も、引き続き、来年のこの記事のために頑張って本をたくさん読んでいく所存です。この記事が、皆さんの今年の本選びのお供になれたら幸いです。


皆さんも、おすすめの本があれば、是非教えてくださいね!今年もどうぞよろしくお願いいたします!



BUNKAIWA

 

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