無防備の人たちが傷つけられ沢山の死傷者を出してしまう、というとても痛ましい事件が続いています。
犯人に対する「なぜ?」という疑問とともに、無念さや悲しみ、そしてとてつもない大きな怒りが世間に湧き上がるのを事件が起きるたびに感じさせられます。
ショッキングな事件が起きてしまった時、その場に居合わせたものでなくてもニュースを聞いて大きな精神的ダメージを受けてしまう人もいます。
事件を受けて、どのように自分の気持ちを整理していけばいいのか。ニュースを受けて辛い思いをしている方たちに向けて、この記事では、アメリカ心理学会が銃乱射事件後に世間に向けて発行した心の対処法を紹介したいと思います。
7つの対処法
⒈ 自分の気持ちを話す
自分の気持ちを信頼出来る人に話しましょう。また、同じような気持ちや意見を持っている人が身近にいれば、安心出来る環境で一緒に話し合いましょう。誰かに自分の気持ちを分かってもらうことで孤独感が解消され少し気持ちが楽になるかもしれません。
⒉ ネガティブに引っ張られない
ショッキングなことが起こると、大きな感情に圧倒され動揺が起き、感情の振れ幅がどんどん悪い方、ネガティブな方へと引っ張られていきます。心のバランスを取るためにも、出来るだけ自分にとってポジティブなこと、自分の得意なことや好きなことを考えて、自身を励ましていきましょう。そうすることで、物事を健全で客観的にみられるようになります。
⒊ 情報を絶つ、休息を入れる
何が起きたのか詳しい情報が欲しくて、ついついニュースにかじりついてしまうのが人間心理。このような辛いニュースの情報をどんどん取り入れていくという行為は、実は大きなストレス要因になります。たまにはニュースを見ない時間を作ったり、敢えてニュースや情報から意識を遠ざけることも大切です。また、気持ちを紛らわせてくれるような自分の好きなことに集中したり何か没頭出来るプロジェクトに取り掛かったりすることも、ショックが癒えていない時期に必要なことです。
⒋ 自分にさまざまな感情が巻き起こっていることを認めてあげる
事件を受けて自分の心の中には、悲しみだけでなくさまざまな感情が起きていても不思議ではありません。被害者や被害者家族に対する悲しみや無念感、犯人に対する怒りや攻撃的な感情など、相反する感情が渦巻くことも当然あります。中には、精神的ダメージが体の不調や原因不明の痛みなどで現れる場合も。それらを無理に無くそうと躍起になるのではなく、ただ、それを認識するだけでも十分なのです。
⒌ 自分の体を労る
バランスの取れた食事に定期的な運動で規則正しい生活をする。お酒は控えてください。お酒は、抱えている感情を抑制してしまったり、逆に感情の抑制を妨げたりといったネガティブな効果があります。心が落ち着いていない時に使用するといい影響を与えません。また、不眠症状が出てしまう場合には、心を落ち着けるリラックス法を使って出来るだけ気持ちを休めましょう。
⒍ 誰かを助ける等、生産性のあることをする
自分の身の回りのことで自分に出来ることを率先してやっていく。または、事件の被害者やその家族のサポートになるようなことを取り組んでいく。だれかのために何か良いことをすると、自分の気持ちも良くなります。
⒎ 事件に巻き込まれてしまった被害者や家族の方へ(当事者の方、過去に似たような事件に巻き込まれた方、身近の人が犠牲になったなど)
悲劇的な事件を受けて経験する悲しみや大きな感情が、専門家のサポートと共に整理し処理し解消していける機会が設けられますように。深い悲しみは時間を掛けて消化していくしかありません。そして、そのプロセスには良い時もあったり悪化するように感じる時もあったり、波の連続です。
また、サバイバーギルトという、事件の生存者が経験する、生き残ってしまったことに対する罪悪感の感情も存在します。そのような感情も含め、事件に対する思いを時間をかけて整理していくことが不可欠であり、そのための必要なサポートが必要としているすべての方に届きますように。
さいごに
痛ましい事件に、心を揺さぶられない人はいないのではないでしょうか?
ここで紹介したのは、衝撃的で悲しい事件に対する精神的ダメージを少しでも和らげ心を鎮めるための対処法です。気持ちが不安定になった時には、ぜひ心に留めてみてください。
また、これら対処法をしてみても、事件の影響が精神的にあまりにも大きい場合は心の専門家(臨床心理士や心理カウンセラー)の適切なサポートを受けてください。
心の回復に時間が掛かることは想像に難しくありませんが、乗り越えられると自分の能力を信じて、耐えながら少しずつ前に進み、これらの方法を実践してみてください。
*今回の記事は、意訳や私見もはさみながらも出来るだけ原文に近い形で紹介させていただきました。
クロスカルチャーコンサルタント・BUNKAIWAのヤスでした。
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