みなさんは、アートセラピーがどこから来たのか知っていますか?
なんとなく知名度の低さから最近の学問のようですが、アートセラピーの始まりは、実は心理学の誕生と同時期だったんですよ。
そして、それには日本にもファンの多いあの有名アーティストの存在がありました。
この記事では、ちょっと意外なその誕生ストーリーをご紹介します。
心理学の父フロイトとの深い関係
アートセラピーの誕生。それは心理学が登場したフロイトの時期まで遡ります。
そもそもアートセラピーは、心理学の父フロイトの精神分析論(無意識に存在する思考が人の心理や行動を良くも悪くも動かしている)の考えを美術に応用したことから始まりました。
患者さんが描いていた絵を見た心理学者が、閃いたのです。
「ひょっとして…芸術作品から製作者の「無意識」がみれるのではないか」
そこから「芸術をコミュニケーション媒体にセラピーする」という概念が生まれたのでした。
アートセラピーの誕生にはあのアーティストの存在が関わっている!?
フロイトの精神分析自体がとってもセンセーショナルだった20世紀はじめのヨーロッパ。
フロイトの思想に影響を受けたアンドレ・ブルトンを中心に、シュルレアリズムが発足。サルバドール・ダリなど、自分の精神世界を美術表現するアーティストたちが次々誕生しました。
それまで実物をリアルに表現する印象派が主流だったアート業界にとって、アーティストの独特の世界観が体現されたシュルレアリズム派のアートは、人間心理を無視してはアートを語れないことを世間に知らしめました。
そして、アートと心を専門に研究するセラピスト達、つまりアートセラピストが生まれたのです。
(ちなみに、心理学自体がフロイトの考えから発祥したため、当時(初期)のアートセラピストたちは、おもに精神分析に影響を受けた心理学者・精神科医たちが中心でした。)
アートセラピーは時代に合わせ進化している
もともとは精神分析の考えから始まったアートセラピー。
心理学の発展に合わせて増えている心理理論やカウンセリングアプローチにあわせて、アートセラピーもバリエーションを広げています。
そして、脳科学の研究が進みアート制作が脳にどのような効果をもたらすのか科学的に実証されるようになってからは、治療法の一つとしてより確固たる地位を築いています。
また、最近はデジタル化が進み、テクノロジーを駆使したアートを使ってセラピーが出来ないか模索しているセラピストもいます。
唯一の問題は、アートセラピーの学術論文がまだまだ少ないということ。現場では様々なアートセラピー技法が生まれていますが、学会的には少しエビデンス・ベースド(evidence based)療法として市民権を得るためには、バックアップが足りないのが現状です。
しかしながら、アートセラピスト達の創造性のお陰で日々進化しているアートセラピー業界。
今後も目が離せません。
クロスカルチャーコンサルタント・BUNKAIWAのヤスでした。
アートセラピー情報を紹介するnoteを始めました。本記事を始め、様々なアートセラピー介入方法を紹介予定です。興味のある方は是非フォローをしていただけたら嬉しいです。
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