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日本人には難易度が高い【サーキャズム/サーカズム/Sarcasm】サーキャズムを使ったコミュニケーションスタイルとその対処法を解説



みなさんは、サーキャズム / サーカズム(sarcasm)という言葉を聞いたことはありますか?


Sarcasm(英名詞)

皮肉、あてこすり、嫌味


日本語ではこのように訳されるこの言葉。日本で生活していると「嫌味」はともかく「皮肉」や「あてこすり」なんて言葉自体そこまで日常で使われることってなかなかないですよね。


それが実は…


『サーキャズム』、アメリカではとても多用されるコミュニケーション方法の一つなのです。


*他の国ではサーキャズムがどれほど使用されているのかあまり把握していないため、ここではアメリカでの使われ方を例に紹介させていただきます。


日本語でのコミュニケーションにはあまり存在しないこのサーキャズムという概念。それ故、多くの日本人が、アメリカ人をはじめサーキャズムを好む文化の人とのコミュニケーションにとても戸惑いを感じます。わたしも、サーキャズムを使ったコミュニケーションに慣れるまでとても苦労しました。


そこで、この記事ではサーキャズムとは何物なのか、そしてそれに対処するための方法をご紹介しようと思います。


サーキャズムとは!?サーキャズムの使われ方

日本語では「皮肉」や「嫌味」と訳さるサーキャズムですが、アメリカでは、実はユーモアの表現として使われます。


使い方の例として、たとえば友達とバイキングに行った時のこと。


食べ過ぎてポンポコリンになったお腹を見せながら一言


「あ〜美味しくなかった〜!」


これは、明らかに美味しかったものをたらふく食べた自分が発する、正反対の言葉この明らかな嘘(正反対の発言)がサーキャズムです。皮肉や嫌味とは一味違う、面白おかしい冗談というニュアンスがあります。


サーキャスティックコメントというこれらの冗談、言われた方は思わず笑っちゃいますよね。


そして相手は相手で、


「本当だね、ますます細くなっちゃったね〜」


など言って話を続けるのがアメリカではよく見られる会話のスタイルです。


サーキャズムの是非

そんな面白い使われ方があるサーキャズムですが、アメリカでは、多用されながらも実は賛否両論がある表現なのです。というのも、日本語の訳に近い「嫌味」を含む要素で使う輩もとても多いから。


例えば、出かける準備に手間取っている時に、


「どうぞどうぞ、もっと時間かけて。世界中の人みんな待ってくれると思うから」


こう言われたら、ちょっとカチンときませんか?


そうなのです。言われた側が思わず嫌な気持ちにさせられるようなコミュニケーション表現もサーキャズムの側面の一つなのです。


隠れ攻撃性(Passive-Aggressive)と呼ばれるこの性質を持つサーキャズム。使い方によっては本当に嫌味で意地悪な表現に変化してしまいます。


余談ですが、わたしの体験上、サーキャズム表現を特に多用するのはアメリカでも東海岸(マサチューセッツ州、ニュージャージー州など)出身者に多いように思います。わたしの住むカリフォルニア州は比較的、英語がネイティブでない人や様々なバックグラウンドの移民も多いせいか、あまり攻撃的なサーキャズムを使う人はおらず、たまにきっついサーキャズムを放り込んでくる人に会ってその人の出身地を聞くと、「やっぱり東海岸出身者」というのをよく経験しています。笑。彼らに言わせると、キッついサーキャズムにはキッつい別のサーキャズムでお返しするからフレンドリーなコミュニケーションが保たれているそうです。


なので、アメリカと一言に言っても、移住先や関わるアメリカ人によってサーキャズムに持つ印象は大分変わるかもしれません。


アメリカでも地域によって受け取られ方が随分違うサーキャズム。


そのため、サーキャズムを「IQの高い人ほど使う知的なコミュニケーション方法だ」と表現する人もいれば「機転の効かない者による底意地の悪い攻撃的なコミュニケーション方法だ」と否定する人もいます(カリフォルニアの人はキツめのサーキャズムを嫌う人が多いかも。)


サーキャズムへの対処法

それでは、サーキャズムに慣れていない日本人は、どうサーキャズムに関わっていけば良いのでしょうか?


まずは、サーキャスティックなコメントを言われた時、自問自答してみましょう。そして、面白いサーキャズムだったか、笑えないサーキャズムだったか、分けてみましょう。


ユーモアのある面白いサーキャズムだった場合:


言われた一瞬戸惑ったとしても、そのあとすぐ自分が「面白い!」と思えるようなサーキャズムだった場合は、そのサーキャズムに乗っかって話を続けましょう。むしろ、サーキャズムで返してしまうのもいいかもしれません。


例えば、カップルの会話で。


自分:今晩友達と食べてくるから夕飯一人でお願い。

相手:オッケー。別の彼女とご飯食べに行くから大丈夫。

自分:うん、そうして、わたしも別の彼氏と一緒に行く予定だから。


または、マシンガントークなショップ定員さんから逃げ帰ってきた後。


自分:あ〜大変だったね。

相手:すごく静かな人だったね。

自分:うん、本当。静かすぎて店の中で立ったまま寝ちゃいそうだったね。


初めは難しいですが、使っているうちに慣れてきて使うのが楽しくなってきますよ!


笑えないキッついサーキャズムを言われて傷ついた場合:


では反対に「カチーン!」と思ってしまうようなサーキャズムを言われたら、以下の5つの対処法から出来そうなものを選んでみましょう。


対処法①言われたサーキャズムを受け止めない、無視する

リアクションを何も取らずに、何事もなかったかのように振る舞うことで、相手が「ちょっと言い過ぎた」と悟らせ気まずくさせる方法です(ジョークが滑った時の感覚と同じですね。)


対処法②サーキャズム返しする

言われたサーキャズムに勝るようなサーキャズムを自分も練り出し相手にお返しする。難易度が高いので、慣れないうちはあまりオススメではありません。


対処法③叱る

言っていいことと悪いことがあると叱る。


対処法④指摘する

本当にその表現が適切だったのか、他に表現の仕方はなかったのか指摘する。


対処法⑤素直に自分が傷ついたことを伝える

率直に自分が言われて傷ついたと伝えてしまう。


上記5つの対処法について、特に対処法④と⑤に関しては、本当に自分を傷つけるつもりでなく誤ってサーキャズムを使ってしまった人ならば、素直に謝ってくると思います。


しかし、本当に嫌味や差別意識を込めて、他人を蹴落そうとするような態度でサーキャズムを使った人が相手だったとしたら、そのような相手は無視する、相手にしない、関係を断つ、というのが一番おススメかと思います。


おわりに

文化の違いと云えど、どうしても受け入れられないものはあります。


サーキャズムは、使う人、使い方によって大きく受け取れ方が異なってくるので、自分の許容範囲を把握することが重要になります。


わたしもアメリカ生活を始めたばかりの頃、旦那さん(ニュージャージー州出身)にきっついサーキャズムを言われて思わずショックで泣いてしまった経験があります。


相互理解があってこそ成り立つのがコミュニケーション。そのため「サーキャズム」という表現文化を学びつつ、自分の中で受け入れられること、受け入れられないことを吟味する力も養っていくことが必要です。そして、傷つく表現をされたときは、言ってきた相手にしっかり伝えること。それがお互いが気持ちよく過ごせるために大切なコミュニケーション要素だと思います。


長くなりましたが、お読みいただきありがとうございます。



クロスカルチャーコンサルタント・BUNKAIWAのヤスでした。


参照文献:


サーキャズムについての考察の記事

https://www.psychologytoday.com/us/blog/think-well/201206/think-sarcasm-is-funny-think-again


サーキャズムの対処法の記事

https://www.healthguidance.org/entry/15845/1/psychology-of-sarcasm-dealing-with-sarcastic-people.html


サーキャズムのネガティブな側面についての記事

https://www.goodtherapy.org/blog/the-problem-with-sarcasm-0815185