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  • 執筆者の写真ヤス@BUNKAIWA

どんな心理カウンセラーだったら大丈夫?:良いカウンセラーと悪いカウンセラーの見分け方


皆さんは、心理カウンセラーについてどのようなイメージを持っていますか?


“心の問題を相談出来る人”というイメージはあっても、実際にどのようなことをする人なのか、なかなか分かりにくいですよね。それでは、なおさら専門的と言える心理カウンセラーがどういう人を指すのかイマイチ把握しにくいのではないでしょうか。


せっかく行ってみたけど心理カウンセラーが自分に合わなくて、イライラしたり、効果が無いことなのかと失望してしまったり。嫌な思いをして「もう2度とカウンセリングやセラピーなんか受けたくない」と受けることを拒絶してしまった人ももしかしたらとても多いのでは。


心に密接に関わるデリケートなことだからこそ、心理カウンセラー選びは重要です。そして、その心理カウンセラーが本当に専門的な知識を持つ人なのかどうか、吟味することが必要です。


そこで、心理カウンセリングに行く前に、どんな心理カウンセラーを選べばいいのか、最低限抑えておきたいポイントと避けた方がいいカウンセラー3タイプ、そして自分に合うカウンセラーを選ぶ方法をご紹介したいと思います。


*心理カウンセリングと心理セラピーは、ここでは内容的に同意語として、ひとまとめに括って紹介します。また、この記事で指す「心理カウンセラー」とは心の問題に専門的にアプローチする方のことです。


カウンセラー選び、最低限押さえておきたいポイント

心理カウンセラー探しにおいて、「心理カウンセラー」が本当に専門家として治療をする資格がある人なのか次の3点を確認しましょう。


  1. 大学院レベルの教育を受けていて、社会的に認められた心理資格を持っているか

  2. クリニックや病院などで臨床心理経験(実際に相談者・クライアントを受け持って先輩セラピストのもと研修やトレーニングを受けていた経験)があるか

  3. セッション料金は明確になっているか


アメリカで『心理』のつく仕事を名乗れるのはアメリカのその州の資格基準を満たす方だけです。そのため、アメリカの心理職資格を持つ方は専門度に一定基準以上の信用があります。なのでアメリカで心理カウンセラーをお探しの方は、これら心理の有資格者かどうかをまず確認してください(ここで紹介する以外にも資格があります。)

  • Psychiatrist (薬の処方が中心)

  • Clinical Pscyhologist(診断、アセスメト、カウンセリング、州によっては薬の処方も)

  • Psychotherapist : Marriage and Family Therapist, Professional Clinical Counselor, Clinical Social worker (カウンセリングが専門)


日本で心理カウンセラーをお探しの方は、日本では現状、心理カウンセラーと名乗るのに明確な基準や法律が整備されていないようなので、本当に信頼できるカウンセラーを選ぶには最低限上記3つの項目がはっきりと分かっている人が好ましいと思います。


もし上記3点が明記されていない方でも、電話やメールでの問い合わせの際に、経歴やどのような心理カウンセリング経験があるのか詳しく聞いてみてください。そこで変に隠したがったり、苛立ちを露わにするカウンセラーはやめましょう。また、カウンセラーの専門分野が自身のケースに当てはまらない場合もあるので、ぜひ心理カウンセラーの得意とする分野を聞いておくこともおススメします。心理カウンセラーに対する質問やセッションの進め方など、何か気になる点があったら問い合わせの段階ですべて聞いてしまいましょう。


また精神科に通院している方は、安心できる心理カウンセリングサービスをお医者さんから直接紹介してもらうのも良いかもしれません。


心理カウンセラーもさまざま、通ってみて気づくこともある。性格や相性が合わない場合は、次のカウンセラーをあたること。

たとえ自分の見つけたカウンセラーが信頼できる資格を持つ人だったとしても、初めてのセッションでは心理カウンセラーのカウンセリングスタイルを観察し、自分に本当に合うかどうか確認することが重要です。


心理カウンセラーも人間なので、相談者さんが性格や雰囲気によって相性が合わないと感じる場合もあります。その場合、我慢せずに次の心理カウンセラーを当たってください。心理カウンセラーは友達ではなくプロの相談家なので、もし一度通ってみて合わない場合があれば断っていただいて構いません。それはこの職業においてとても普通のことなので全く問題ありません。



この3タイプに当てはまるカウンセラーは危険信号

相性などは相談者本人にしか判らないことですが、ここでは心理カウンセラーの視点から、プロフェッショナリズムに欠ける、避けた方が良い心理カウンセラーを3タイプにまとめてご紹介したいと思います。



タイプ1

威圧的、断言口調、私見が多い心理カウンセラー


このタイプは、自分の意見があたかも正しいかのように諭すタイプ、相談者の人生の意思決定に踏み込むカウンセラーです。心理カウンセリングはコーチングではありません。経験が少ない心理カウンセラーほど自分の偏見や固定概念が強く残っていることを自覚していない場合があるので、相談者の人生にあれこれ口出しし相談者をコントロールしてしまうことがあります。この場合、いくら心理カウンセリングを受けても、効果は見込めません。


それに、そんな偏見を持って色々口出しされたら、言いたいことも自由に言えなくなってしまいますよね。せっかくのセッションが、カウンセラーの独壇場になるのは、相談者には何のメリットもありません。



タイプ2

相談者と健康的な境界線(バウンダリー)を作れない心理カウンセラー


これに該当する心理カウンセラーは、時間外にも相談者と会ったり、相談者の治療に関わること以外の要求をのんだり、個人的な友人関係を持ったり、と相互の関係性をうやむやにしてしまう、専門家としてのケジメが無いタイプです。例えば依存心が強い相談者がこのタイプの心理カウンセラーに出会ってしまうと、いつまでたっても適切な自立方法を学べず、むしろ依存を助長することになるので逆効果になってしまいます。


心理カウンセラーは、相談者に適切な対人関係と自分の許容範囲の線引きの築き方を作るための良いロールモデルにならないといけません。それが出来ていない心理カウンセラーは、「良い人」ではあるかもしれませんが、「良い心理カウンセラー」ではありません。そのため治療の効果もあまり見込めません。


もし初めてのセッションを受けに行って、妙に馴れ馴れしかったり、相談者に自分のプライベートをベラベラ話すカウンセラーだった場合、ちょっとこの傾向を疑った方がいいかもしれません。また、「自分も同じような体験をしたから〇〇だったに違いない」、「わたしはこう乗り越えたから、あなたもこうした方が良い」、など自分の体験談を被せて自分の話と相談者の相談内容を同一視するようなカウンセラーには、カウンセリング効果は見込めません。この問題点は、カウンセラー自身が私情に向き合いきれておらず、相談者の話を冷静に客観的に聞くことが出来ていない状態である可能性が高いからです。専門的な心理カウンセラーは、自身の事情と相談者の事情を切り離して考えられるよう気持ちの整理を常に心掛けています。


心理カウンセラーとの接触は、基本セッション内のみです。そして心理カウンセラーが個人的な頼みごとをすることは絶対にありませんし、相談者と友人関係のような付き合いはしません。



タイプ3

「何かが気持ち悪い!」と自分が直感的に危険を感じたら逃げて!

性的アプローチをする心理カウンセラー


人の直感力というのは、あながち無視出来ないものです。セッション中、心理カウンセラーの視線やボディーランゲージなど、なんとなく気持ち悪い。。と思うような瞬間があったら、警戒する必要があります。


心理カウンセラーと相談者は密室状態で深い話をするので、中には心理カウンセラーという立場を悪用する輩も残念ながらいないわけではないのが現状です。そして、心理カウンセラーが相談者に性的なアプローチをすることがあったとしたら、その人は法律倫理的に問題があるため、プロフェッショナルではありません。なので、いくら治療の効果を謳っていたとしても、治療の効果も何も期待できません。むしろ有害なので即断ち切ってください。


最初は「相性が合うかも」と思って通い出したとしても、何かの拍子に瞬間的にそう感じた場合、セッション中であっても我慢せず逃げることを提案します。


むしろ性的アプローチをかけてくる心理カウンセラーがいた場合、そのカウンセラーが所属する資格団体に通報してください。このような人は心理の専門家から見ると、とても残念だし悪以外の何物でもありません。被害を増やさない為にも、このようなことをする人がカウンセラーを名乗ることは禁止される必要があります。


また、相談者が相談をしているうちにカウンセラーのことを好きになることも稀にですがあります。それは至極ありえることなのですが、プロの心理カウンセラーは絶対に相談者に手を出すことはありません。恋人関係になるなど言語道断。カリフォルニア州の場合、もし心理カウンセラーが相談者に対し恋愛感情を持ってしまったら即刻治療を終了しなければならず、そして相談者との恋愛は、心理カウンセラーがその相談者との治療を終えてから2年以上が経った場合にのみ許可されています。それは、治療以外の利害関係がセラピーの現場にあってはいけない、という倫理的臨床心理的観点からの規制です。


もう一度明記しますが、プロの心理カウンセラーは絶対に性的アプローチはしません。


*このようなことをする人はとても少ないとは思うのですが、残念ながらこういうケースも存在するということを相談者側を守る意味も込めて、ここでは敢えて述べさせていただきました。


心理カウンセリングの方法は一つではない、合わないと思ったら違う療法を得意とするカウンセラーを試すのもあり

臨床心理士レベルの資格を持つ心理カウンセラーであっても、医師と同じで、各カウンセラーによって得意な専門分野や、傾倒する治療法・アプローチに違いがあります。また、年齢や性別、カウンセラーの性格によっても相談者との相性に差があります。また、言葉で説明するよりも、美術制作をする方が好きな方にはアートセラピー、音楽が好きな人にはミュージックセラピー、演技で表現するのが好きな人にはドラマセラピー、動物好きにはアニマルセラピーなど、言葉以外の媒体を中心とするアプローチ方法も多数存在します。


そのため、上記の3タイプに当てはまらなくても、初めて行った心理カウンセラーが自分には合わなかったと思った場合に、それが心理カウンセリングなのだと決めつけず、別のカウンセラーやアプローチ法を当たることを強く推奨します。


経験のある心理カウンセラーは、相性があるのは当たり前、もし1度きりで相談者が戻って来なくても仕方のないことだと受け止めますので、気にせずに他を当たってみてください。一度行ったカウンセリングが合わなかったからもうカウンセリングには2度と行かない、というのはとても勿体ないことです。また、自身が合わないと感じながらも断るのは申し訳ない、と合わない心理カウンセラーで治療を続ける必要も全くありません。もし体の不調が続くなら、一つの医者が合わなくても別の病院・医者に通うでしょう。それと全く同じ感覚で、カウンセラーを選んでください。


良い心理カウンセラーとは

良い心理カウンセラーとはズバリ、


自分が心の内を思う存分話すことが出来る、自分にとってそのような雰囲気を持っていると感じることが出来る人。


心理カウンセリングでは、自分の弱い部分をさらけ出すという性質上、自身がカウンセラーに「偏見を持って判断されている」と感じてしまうこともあります。


そんな時に、「今私のことをこういう目で見ていましたか?」と自分の感じている不安を率直に聞けるような対等な関係を築いてくれる、そして、それらの問いかけにはぐらかしたりせず真摯に向き合ってくれるカウンセラーが一番好ましいと思います。


さいごに

心理カウンセリングは自分自身のために通うもの。心理カウンセラーのためのものではありません。自身に合ったカウンセラーを見つけた時の心理効果はとても絶大です。そのため、もし過去に合わないカウンセラーに当たってしまったとしても、絶対にカウンセリングを受けることを諦めないでください。


皆さんに合う心理カウンセリング、心理カウンセラーが見つかりますように。



クロスカルチャーコンサルタント・BUNKAIWAのヤスでした。

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