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バーンアウト(燃え尽き症候群)は働きすぎが原因じゃない。バーンアウトが起こりやすい職場には〇〇が無かった!



みなさんは、バーンアウトの経験はありますか?

仕事の忙しさに追われているうちに、仕事にやる気が出なくなってしまったり、大きく気分が落ち込んでしまったり‥。はたまた苛立ちや怒りを周囲にぶつけてしまい孤立してしまうことも。

仕事の成果に支障が出てくるのみならず、プライベートの人間関係にも大きく影響を与え、本人を追い詰めるとても厄介な症状、それがバーンアウト(燃え尽き症候群)と呼ばれています。

バーンアウトは放っておくと心身衰弱を起こし、本人のその後の人生にもネガティブな影響を与えてしまいます。そこで、この記事では、なぜバーンアウトが起きるのか、その仕組みと、バーンアウトの精神的負担の大きさについてを特集したいと思います。

バーンアウトに陥るまでと回復までの心理プロセス

バーンアウトを研究している、ジェリ・プレオ博士によると、バーンアウトには、このような心理ステージが存在しているそうです。



『希望』から始まったはずの仕事なのに、徐々に職場への不満や理不尽なことに『苛立ち』を感じ始め、それが募り募って『怒り』に変わる。どこにも行き場のない怒りを感じているうちに、そのうち『無力感』となって鬱の症状に。

そんな状況が続いた時に、バーンアウトが発生します。

『バーンアウト』から脱却するには、まずは自分を苦しめる環境や職場から精神的・物理的に『離脱する』こと。そして、徐々に何が起きていたのか『自己理解・受け止め』をしていくことが『心を新たに再スタート』を切るための必要なステップになってきます。


このバーンアウト、とても怖いのが、なってしまうのに時間が掛からないこと。なんと、バーンアウトが起きるのに要する期間はわずか6ヶ月弱と言われています。それに対して、再起回復への道には、バーンアウトが起きてから1年~2年の年月が必要です。

バーンアウトの原因とは?

それでは、何がバーンアウトの主要原因となっているのでしょう。プレオ博士がバーンアウト経験者を調査した結果によると、意外な事実が見つかったそうです。それは、なんと、『働きすぎ』が一番の理由ではないということ。

以下が職場のバーンアウトの原因1位から10位です。


  1. 弱いリーダーシップ

  2. 従業員に対する、組織的なケアやサポートが足りていないこと

  3. 他の従業員の役割に関すること

  4. 政治的・妨害行為

  5. リソースが足りていないこと

  6. 投資対効果を強調しすぎること

  7. 働きすぎ・過労

  8. 足りないコミュニケーション

  9. 非倫理的・非合法的な要望

  10. 将来のビジョンが無い、方向性が見えない

プレオ博士によると、バーンアウトが起こる背景には、従業員をバーンアウトさせてしまうような組織形態や職場環境が存在していると指摘しています。

バーンアウトを経験した人が経験していること、それは「機械の歯車になることを求められているような気分」「ロボットのように扱われる」そして、「誰も自分を気にかけてくれていないと感じる」こと。

それにも関わらず、いざバーンアウトが起きてしまうとあたかも「なった本人が悪い」といった、個人に原因を求める風潮があることが、バーンアウトに苦しむ人をさらに追い詰めている二次要因になっていると説明しています。

バーンアウトの精神的インパクトとはどれほどなのか!?

それでは実際にバーンアウトはどれだけしんどいのか。

プレオ博士が出会ってきたバーンアウト経験者たちの多くに共通していたこと。それはなんと、生死に関わるような大きなストレスを経験した時になるPTSD(心的外傷後ストレス障害)とほぼ同じ症状が見受けられることでした。


PTSDとバーンアウトに共通していることを並べただけでもこんなに共通点が!

  • トラウマ・大きなストレスにさらされた経験を持つ

  • 恐怖、希望の喪失感の反応が起きる

  • 睡眠障害、悪夢

  • 鬱、減退してしまうこと

  • 頻繁な気分の変化、苛立ち

  • トラウマを思い起こさせるような活動を避けてしまう

博士は、インタビューした多くの人がバーンアウト経験後に職場を離れただけではなく、職業まで変えてしまったという事実に注目。その原因は、トラウマ経験者と同じように、過去の職場を連想させるような『何か』を感じ取った瞬間に、一気に過去の思い出が蘇ってしまい再バーンアウトを起こしてしまうことに起因としていたようでした。

『除去できていないバーンアウト(Residual Burnout)』があることで、何かのきっかけで過去の精神的衝撃を一瞬で思い出してしまうことが起きてしまいます。そのため、一度バーンアウトを経験した人は、一般にバーンアウトが起こる期間とされている6ヶ月よりもさらに早いペースで、バーンアウトを再経験しやすいことが分かったそうです。そして、それを避けるために、職種を変えざるを得ない人が後を絶たないそうです。

これらの研究を踏まえ、博士は、バーンアウトは、PTSDと同じように扱うべきである、と指摘しています。そして、企業は、従業員の誰かがバーンアウトになった場合、慢性的にバーンアウトを作り出しやすい組織形態や職場環境が存在している可能性を含め、バーンアウト対策をもっと真剣に真面目に取り扱うべきであると話しています。



おわりに

プレオ博士の挙げた10個の職場のバーンアウト要因は、欧米の就労モデルや雇用組織をモデルとしていますが、「KAROSHI(過労死)」という言葉が存在している過酷な就労状況がある日本の職場にも多いに共通する項目があるでしょう。

バーンアウトや鬱のとても辛いところは、自分に原因を求めてしまったり、自分を責めてしまい、どんどん自分で自分を追い詰めてしまうことかもしれません。もし、自分の職場がバーンアウトを作りやすい条件を持っていたり、また、自身がバーンアウトの心的ステージに心当たりがあったら、何よりもまず自分の今いる環境を疑ってください。そして、それが有害な環境だった場合、そこから離れ、自分を守ることを優先してください。

一人一人がそのような有害な環境に問題定義を行い、行動に起こすことで、雇用主も必然的に就労環境を改善せざるを得なくなってきます。


そしてそれが、将来のバーンアウト被害者を減らす第一歩にもなるでしょう。

クロスカルチャーコンサルタント・BUNKAIWAのヤスでした。

参照:

https://youtu.be/hFkI69zJzLI



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