top of page
ブログ: Blog2
  • 執筆者の写真ヤス@BUNKAIWA

アメリカ人コメディアンになった香港少年の話:”How to American” by Jimmy O. Yang


ジミー氏の著書 "How to American"

アメリカHBO製作の『シリコンバレー』。その人気TVドラマシリーズに登場する中国人デベロッパー役を演じたジミー・オー・イェン氏が自身の移民体験を本に書きました。


この本では、英語も何も知らない13歳の普通の香港の中学生が、香港からアメリカ・ロサンゼルスに移住し「アメリカ人」になるまでのプロセスが語られています。


元々はコメディアンの彼が語る移民生活の話は、文化変容を経験する人ならば誰もが共感出来る「あるある」ネタが満載で、それを面白おかしく話すものだから、大笑いさせてくれます。


とくにわたしは車の中で彼自身が読むオーディオブックを聴いていたので、笑いすぎてたまに運転が危ない時がありました。


ティーンからの移住で苦労する場面

面白おかしい移住話が満載のこの本ですが、大事なところもしっかり語っております。


例えば、思春期の多感な時期に言葉や仕組みも分からないままにアメリカに来てしまったため直面した恥ずかしい思い出談。


恥ずかしい思いって誰もがしているものの、ここまで大っぴらに心の内を明かして話してくれるのはコメディアンならでは。まして思春期の移民生活のことなんて、なかなか書いている本ってないんじゃないかと思います。


また、日本を含む東アジア圏出身移民の子供が直面しやすい『親の期待に沿う』という大きなプレッシャーの話にも触れていました。


そもそも移住の理由が、子供にアメリカンドリームを掴めるよう良い教育をさせるため。


お父さんの期待は半端ないですよね。そのため、彼がどうこのプレッシャーを乗り切って行く?のかが一つの読みどころとなっています。サブタイトルで予想が着くかもしれませんが、笑。


お父さんとの関係が何よりも面白い

彼のお父さんは、典型的な東アジアの男性。


もちろん、アメリカに来たからには子供に良い教育を受けさせ、良い仕事について欲しいと願っているのですが、このお父さんがかなりの隠れ面白い人物なのです(息子がコメディアンになるのも納得。)


そして最後の最後に思わず心がほっこりする一文が。


東アジア人の感情は表に出さないけれど、実は子供のことをすごく思っている感じがなんとも切なく心温まる形で表現されています。


まとめ

この話は、著者ジミーが自身のやりたいことを模索し、お父さんと衝突しながら、いろんなバックグラウンドの人と出会って、アメリカで居場所を見つけていく話です。


そして、ハリウッドにほとんど存在していなかった、キャストがほぼ全員アジア人の大プロダクション映画『クレイジーリッチ』への出演とその社会的インパクトについてをアジア系アメリカ人の視点から触れています。


彼がこの記事の添付動画デイリーショーのインタビューでも語っている、アジア人キャストがメインの撮影での話「中華料理食べに行こう〜」のくだりは、わたしも思わず「すごくわかる」と共感してしまいました。笑


本当は中高校生ぐらいの人に読んで欲しい本だけど、途中18禁またはF-wordが出てくるので、大学生ぐらいの人におススメです。興味のある方はぜひ読んでみてくださいね!むしろ、英語もそこまで難しくないので、英語学習中の方はぜひ、彼の語りのオーディオブックをお勧めします!!


ジミー氏はもともとはスタンダップコメディアン。移民ネタをたくさん取り扱っています。


↓トークショーで映画と本について話しているジミー・オー・イェン氏。すっごく面白い人!




クロスカルチャーコンサルタント・BUNKAIWAのヤスでした。


 

関連記事:


参照:

この記事で紹介した"How to American: An Immigrant's Guide to Disappointing Your Parents (English Edition)" は、ジミー氏本人のナレーションでオーディブルから聴くことが出来ますよ↓







0件のコメント
bottom of page