円満なカップル関係を築くために必要なこと、それはコミュニケーション。
でも、良いコミュニケーションって具体的にどのようなこと?どんな対策をすればいいの?そもそもコミュニケーションって何?
そんな疑問を感じている方も多いことでしょう。
そこで、この記事では、カップル間のコミュニケーションやその背景にある二人のパートナー関係のあり方の理解を深めるために、参考になる書籍を3選、紹介したいと思います。
絶対これは読んで欲しい!ゴットマン博士の代表作!!カップル関係を崩壊させる4つの悪癖とは?
カップルに必要なのは『コミュニケーション』と言い切るカップル研究の第一人者、ジョン・ゴットマン博士。彼は、新婚カップルの会話を10分聞いただけで、そのカップルのその後の結末が約90%の確率で分かってしまうそう。それぐらい、彼は、何十何千ものカップルの会話のパターンを分析し、解析、説明した研究結果を発表している有名博士です。
ゴットマン博士は、将来的に別れを選ぶカップルの会話には、ある『4つ』の悪癖が隠されていると話しています。その4つの会話の悪癖が、どう相互作用し合って二人の関係に溝を作ってしまうのか。逆に、将来も仲良く過ごすカップルには、どんなカップル円満要素があるのか。その秘密を膨大なデータを元に紹介しています。
カップル関係でお悩みの夫婦にも、新婚さんにもぜひ読んでほしい。わたしもカップルカウンセリング や結婚関係のお悩みを抱える方に、まず1番にオススメする本です。
ジョン・ゴットマン&ナン・シルバー著
カップルのアタッチメント(愛着)に注目したエモーショナリー・フォーカスド・セラピーの先駆者スー・ジョンソン博士の代表作!
カップルカウンセリングが比較的認知度の高いアメリカですが、実はここ最近まで、効果的なカップルセラピーの理論やテクニックというものがなかなか確証されていませんでした。
そんなカップルセラピー界に一石を投じたのが、スー・ジョンソン博士の提案するエモーショナリー・フォーカスド・セラピー(Emotionally Focused Therapy)。これは、従来のテクニックや介入重視のカップルセラピーとは一線を画し、子供と親の愛着スタイルがカップル間でどう再現されているのかに注目したカップルセラピー理論です。カップルセラピー理論の中で初めて、安定的にカップルセラピーの成功を導き出せるセラピー理論として確立しています。
この本では、この理論の生みの親スー・ジョンソン博士による、彼女の研究や理論の生まれた背景にある親子の愛着関係、それがどう個人のパートナー関係の形成に深く関わっているのかを具体的なケースと共に説明しています。「カップルはタンゴを踊っているようなもの」とタンゴ好きな彼女によるダンスのメタファーがあったり、ゴットマン博士のコミュニケーション論を紹介する部分があったり、専門書過ぎなく心理学の知識があまり無くても分かりやすく彼女の理論をかいつまめる本となっています。
スー・ジョンソン著
あのベストセラーの続編。パートナーに何を望めばいいのだろうか?その答えが書いてある良書!
アドラーを日本中に知らしめた大ベストセラー『嫌われる勇気』の続編となる本書。前作が好きだった人にも読んでもらいたいのはもちろん、実は、この続編は恋愛関係に悩む人にもぜひ読んでほしい要素が満載なのです。
思いやりや、無償の愛ってなんだろう。ありふれた言葉でありながら、実際にそれが自分の人生にどう機能しているのか、あまり理解していない部分を深く突っ込んでくれる内容がたくさん。例えば、自分が相手にやってあげたことが見返りを求める行為になっている場合は、それは本当に『愛情』と言えるのか。この問いかけにみなさんはどう答えますか?
自分とパートナーとの間に持つものを『愛情』とするのか『依存』とするのか。カップル内での自分の立ち位置を問いただしてくれる問いかけがたくさん散りばめられているこの本。わたしもこの本を読んで、自分のカップル関係を「ハッと」させられる場面が多くてとても勉強になりました。自分の立ち位置が分かってくると、自然と自分のコミュニケーションの仕方にも大きな変化が出てくるのも感じました。カップル書籍ではないけれども、恋愛関係に悩む人を中心にいつもこの本を『嫌われる勇気』とセットでオススメしています。
岸見一郎、古賀史健著
おまけ:国際結婚や異文化間カップルのコミュニケーションの参考に。
「国によって求められるコミュニケーションのスタイルがこんなにも違うのか!」
ということを気付かせてもらえること間違いなしのこの本。日本で慣れ親しまれているコミュニケーション方法が、どれだけ他国でスタンダードとされているコミュニケーションとは大分違うのか、それを理解するだけでも、夫婦・カップル間の誤解やいざこざが少しは減るかもしれません。ビジネスの現場を想定して書かれていますが、異文化出身者同士のカップルにも参考になる内容が盛り沢山です。
自分の中では『当たり前』と思っていたことが、当たり前でない人がいた場合、相手とどうやって理解を深め合えるのか。その実現には、自分の慣れている文化やコミュニケーションの傾向を理解し、相手のそれも理解しようとすることが不可欠です。そして、両者の違いをどう問題の解決に結びつけられるのか。両者共に意見を出し合い二人にとってベストな答えを見つけていくこと、このようなプロセスを経験することが異文化理解の鍵になると著者は話しています。
本の中で紹介されているバハマの諺が印象的でした。
”揉め事の解決に必要なのは二人の間をカットするナイフではなくて、二人の間を縫ってくれる針なのだ。”
他言語でも出版されているので、パートナーと一緒に読み進めて欲しい本です。
エレン・メイヤー著
まとめ
この記事では、カップル関係を理解するのに視野が広がること間違いなしの3冊を紹介させていただきました。
ゴットマン博士とジョンソン博士は、カップルが関係を深めるには、それぞれを理解するための密なコミュニケーションは欠かせないと話しています。そして、ジョンソン博士とアドラー(『幸せになる勇気』から)は、一個人が一人の自立した存在として、相手と接していくことがカップル関係でもとても大切であり、それが出来て初めて互いを尊敬し高め合える満たされた人間関係を築いていけると説いています。
カップルの特集になりましたが、対人関係のコミュニケーション全般や、自分一人の理解を深めるためにも参考になる内容が満載です。みなさんもぜひ読んでみてください。
クロスカルチャーコンサルタント・BUNKAIWAのヤスでした。
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